墓参りで手向ける花には、故人を偲ぶ気持ちや感謝の心が込められています。しかし「どんな花を選べばいいの?」「花の色や種類に決まりはあるの?」と迷う方も少なくありません。
この記事では、墓に供える花の基本的な選び方から、タブーとされる花、季節ごとのおすすめの花、供え方のマナーまでを詳しく解説します。正しい知識をもって、心のこもった供花を手向けましょう。
目次
墓に供える花の基本ルールと選び方
お墓に供える花は、単なる装飾ではなく、故人への供養と敬意を表す大切な手段です。選ぶ際には、いくつかの基本ルールを押さえておく必要があります。
一般的に供える花の特徴
- 長持ちする花(例:菊、カーネーション、リンドウなど)
- 香りが強すぎないもの
- 棘がない花(バラなどは避けるのが一般的)
- 故人の好きだった花(個人の希望に配慮)
特に菊は、日本では長寿や高貴さの象徴とされ、供花としてもっともよく使われる花です。白や黄色の小菊、スプレー菊などは定番です。
避けるべき花(タブー)
- トゲがあるバラやアザミ
- 毒性のある彼岸花
- 強すぎる香りを放つ花(ユリなど)
- 派手すぎる花(原色のチューリップなど)
ただし最近では、故人がバラを特別に好んでいたなどの理由で柔軟に対応するケースもあります。その場合はトゲを取って供えるなど、マナーに配慮することが大切です。
季節ごとのおすすめの花
季節感を大切にした供花は、見た目にも美しく、故人にも訪れる人にも心地よさを与えます。ここでは、四季ごとの代表的な供花の種類を紹介します。
春(3月〜5月)
- スイートピー
- ストック
- チューリップ(控えめな色)
- フリージア
- 小菊
春は卒業や入学など人生の節目が多く、優しく温かな色合いの花が好まれます。
夏(6月〜8月)
- ヒマワリ
- トルコキキョウ
- グラジオラス
- カスミソウ
暑さに強く、明るく元気な印象の花が夏場の供花として適しています。
秋(9月〜11月)
- リンドウ
- ワレモコウ
- ダリア
- 小菊
秋はお彼岸がある季節。落ち着いた色味で、耐久性のある花を選びましょう。
冬(12月〜2月)
- ストック
- シクラメン(鉢花ではなく切り花)
- カーネーション
- 菊類
寒さに強く、落ち着いた雰囲気のある花が好まれます。生花が少ない季節なので、管理のしやすさも考慮が必要です。
供花の並べ方やマナー
花を供えるときにも、基本的なマナーを守ることが大切です。無理に格式ばる必要はありませんが、最低限のルールは押さえておきましょう。
1. 花は左右一対で供える
できれば2束で一対にし、花立てに左右対称に供えます。色合いは揃えるのが望ましいですが、季節感を出すために多少違っていても問題ありません。
2. 花の茎を整える
お墓の花立ては深さがあるため、茎を長めに切っておきましょう。また、枯れた部分や汚れた葉は取り除くことで、見た目も清潔に保てます。
3. 枯れた花は早めに下げる
花は供えっぱなしにせず、枯れたら下げるのがマナーです。放置すると虫が湧いたり、不衛生になったりするため、お墓を守る行為=故人を大切にすることにも繋がります。
最近の傾向と供花代用の選択肢
近年は、花屋での「墓花セット」販売や、ネット注文による墓地への配送サービスも増えてきました。また、生花以外の選択肢も注目されています。
プリザーブドフラワー・造花
- 枯れない
- メンテナンスが不要
- 風で飛びにくいように加工されている
屋外に供えるには注意も必要ですが、お盆や命日などに長期間供えたい場合には便利です。
故人が好きだった花を中心にする傾向も
伝統的な花だけでなく、「本人が好きだったバラを添える」「趣味のガーデニングで育てていた草花を使う」といったケースも増えています。家族や親族で相談し、思いのこもった供花を用意することが重視される時代になってきています。
まとめ
墓に供える花は、故人への敬意と感謝を表す大切なものです。基本的には長持ちし、香りが控えめでトゲのない花を選びますが、近年では故人の個性や季節感を反映した自由なスタイルも増えてきました。
マナーや風習を理解した上で、心のこもった供花を手向けることが、何よりの供養になります。この記事を参考に、想いが伝わる花選びを心がけてみてください。