福井新聞ONLINEより引用

後継者なく「墓じまい」の現実 解体・撤去、仏石を合祀場で供養

 

福井県の丹南地域の山あいに、家名や「南無阿弥陀仏(あみだぶつ)」が刻まれた1万8千を超える墓石(仏石)が整然と置かれている。観音像を中心にピラミッドのようにも見える。墓の解体・撤去、引き取りを専門に行っている安養寺クラシック(越前市)の「合祀(ごうし)場」。平林徹也代表(35)は「8年ほどの間に県内各地から集まった」と話す。受け継ぐ人がいない墓を撤去・解体し、遺骨を共同墓などに移す「墓じまい」が県内でも出始めている。


 平林代表によると、以前は年数が経過して傷みが激しくなった墓の建て替えで引き取ることがほとんどだったが、最近は墓じまいに伴うものが年間二十数件ある。
 福井県石材業協同組合の理事長を務める水間石材工業(福井市)の水間久一社長(58)は「年間3、4件の墓じまいの依頼があり、他の店も同じようだ」と現状を語る。同組合には現在36社が加盟しており、県内で年間100件近くの墓じまいがある計算になる。
 若いころに進学や就職で県外に出た70代前後の人から、県内に残った親が亡くなった際に墓じまいを依頼されるケースが多い。多くは自分たちが徐々に墓参りが難しくなり、子どもにも世話を任せられないのが理由という。


 平林代表が強く印象に残っている依頼がある。関西に住む70代の夫妻が福井県内に残していた墓を処分し、自宅近くの共同墓に移すという。墓には2歳で亡くした子どもの遺骨も入っていた。夫妻は「安心して子どもと同じお墓に入れる」と笑った。
 墓を解体した後、土台などは細かく砕いたり加工したりしてリサイクルされる。ただ、「仏石は先祖が宿り、多くの人が手を合わせてきたもの」(平林代表)で、長年にわたって墓地の一角に集められたり、石材店が保管している場合が多い。安養寺クラシックで引き取りを始めたのは、平林代表の父が石材店から供養する場所がないと相談を受けたことがきっかけだった。
 同社では引き取った後、1~2年間は仮安置して合祀場に移す。墓じまいを知らされていなかった親族とのトラブルを避けるためだ。合祀場では、地元の僧侶に来てもらい、毎年法要を営んでいる。
 福井市の足羽山西墓地公園などを管理している同市公園課には、盆や彼岸になると、放置された墓の雑草の苦情が寄せられる。何とか使用者と連絡を取ろうとするが、全てたどり着けるわけではなく、職員が草刈りなどに当たる場合もある。担当者は「長年手入れされていないものがどれくらいあるか把握できていないのが実情」と説明する。


 平林代表は「墓じまいというとマイナスイメージがあるが、やらなければ次の世代に問題が残る。供養する場所や適切な処分の流れがないと、墓の放置や撤去・解体された墓石の不法投棄につながる」と強調。水間社長は「昔はお盆に帰省して墓参りするのが家族旅行だったが、時代が変わったのだろう。先祖のお墓があるだけで自分たちのルーツが分かる。できれば守り続けてほしい」と呼び掛けた。

 

 

福井新聞社ONLINEより引用

「供養する場所や適切な処分の流れがないと、墓の放置や撤去・解体された墓石の不法投棄につながる」とあります。不法投棄の問題やどこにお骨を持っていけばいいのか解らないという問題がどんどん出てきています。今後とても心配ですよね。

 

 

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