お墓に名前を彫る「追加戒名彫刻」「彫り方と種類」

 

こんにちは、石良の磯崎です。

今回はお墓へ、仏様のお名前を彫刻する「追加戒名彫刻」のことと、石に彫刻をする「彫り方と種類」についてお話させて頂きます。

 

 

石を手でコツコツ彫るわけではない!?

 

まず追加戒名などを彫る場所ですが、昔はお石塔の側面に彫刻を施していました、お墓の正面に立って、右側面の奥から手前に順番に彫刻、その後お墓の左側面の手前から奥へという感じです。

 

彫れる人数も片面5~7人位でした、しかし最近は墓誌(法名碑)や丘カロートタイプのお墓のフタ石が墓誌代わりに使用されるようになり、そちらへの彫刻が多いようです。

 

また戒名のような小さい文字の彫刻の方法ですが、古くは現地でコツコツ彫る時代から、一度石材を外し、工場に持ち帰り彫刻、後に設置というようなこともありましたが、現在では機械や技術も上がりサンドブラストといわれる高圧の空気で細かい鉄粉を細いノズルから吹き付けて現地で彫る方法が主流となりました。

 

 

石の彫り方に種類はあるの?

 

ちなみに彫り方ですが、お墓の正面の文字などでは様々な彫り方ができます。

一般的には「楷書体」で「彫りこみ」と言われる彫り方をしますが、文字の種類からお話しすると、画数の少ない方は、少し崩した文字の「行書体」などを使う方や、個性を出したい方などは、お施主様の希望の文字の種類(パソコンのフォント)などを原稿におこして彫刻をする場合もあります。

私の経験上では、亡くなった故人の手書きの手紙から文字をおこして、香炉の横に「〇〇家」と彫刻をしたこともあります。

やはり彫刻の技術も上がることで、様々なご希望に答えることが可能になっていることが大きいと思います。

彫り方ですと、最近弊社でご相談の多いものは、「霞彫り(かすみぼり)」と言われる、深く彫らず表面の光沢を落として文字をはっきり見えやすくするというものが多くなりました。

メリットとして今までの「彫りこみ」ですと文字の部分が指が入るほど削るため、ゴミやほこりが溜まりやすい、虫の巣を作られることが無くなり、掃除が拭くだけで済むことなどがあります。

また影になる部分が無いため、斜めから見ても視認性が上がり、文字がはっきりと見えるようになります。

デメリットとしては、「彫りこみ」と同じですが、白い石では「磨いてる面」と「磨きを落とした面」がペンキで色を入れなければ見えないということと、戒名彫刻などの小さい文字、細かい彫刻ではできないということでしょう。

 

 

「霞彫り」

文字の外枠を「線彫り」して内側の磨きを落として文字を見せる彫り方になります。

石材は、濃いグレーで、目の細かい「河北山崎」という石材になります。

この位濃い色であればこのようにはっきりとくっきり見えるようになりますのでおすすめです。

 

 

 

正面から見ると同じように見えますが、

 

 

 

斜めから見ると陰になる部分がありませんので、こんなに見え方が違います、また文字部分が凹んでないので埃もたまりませんから、雑巾でサッと拭くだけで綺麗なお墓が保てます!

 

 

 

彫刻は必ずすると決まってる!?

 

戒名彫刻はお寺やその方の家によっても違いますが、ほとんどが「今までと同じように」となるようです。

今までお名前を彫ってこなかった方のお家は彫刻はしない。

また、先代の名前が彫ってある場合は同じように彫刻をするという感じです。

必ず彫らなければならないという決まりはありません。

 

 

どんなことを彫るの?

 

こちらも前の方にならうことが多いです。一般的に彫る内容としましては、

「戒名」「俗名」「没年月日」「没年齢」の4項目が多いです。

しかし前の方が「戒名」と「没年月日」だけの場合は同じようにその2項目だけ彫刻する事が多いですが、お施主様の想い次第で、全て彫刻するケースもあります。

 

民間の霊園などで無宗教の方などはお戒名をもらっていない方もおりますので、

戒名以外の項目「俗名」「没年月日」「没年齢」を彫るようになります。

 

また没年齢ですが、お寺によって「享年(きょうねん)」「行年(ぎょうねん)」を没年齢の上に彫刻しますが、しかし、経験上お寺によって数え方が違う場合もあり混乱してしまうと思います。

 

住職が仮の位牌をつくり、それに伴い本位牌をつくりますので、葬儀の前の打ち合わせの時にご家族と、ご住職でお話をして「昭和○○年生まれだから何歳だね」と共通の認識を持っていただくことが必要だと思います。

 

私たち石材店でも、彫刻の依頼を受けた際は、まず現地で先に彫刻済みのお墓を確認して、その上でお施主様、ご住職にも確認をとります。

その手間を省いてしまうと、位牌では享年○○才なのに、お墓は行年○○才ということにもなりかねませんので、その後の位牌やお墓を護っていく方が困ってしまうのです。

 

 

享年? 行年?

 

○「享年」きょうねん:数え年 亡くなった時の年齢で生まれた時を1歳として、正月を向かえるごとに1歳足していく数え方 《何年生きたか》

 

○「行年」ぎょうねん:満年齢 一般的な年齢 《何歳まで生きたか》

 

 

あれ?誰の奥さん?

 

もう一つ、「俗名(ぞくみょう)」の彫り方ですが、彫刻する文字のスペースが取れる場合は、「俗名 石良 太郎」という風に「俗名」という文字も彫りますが、文字スペース的にきつい場合や、前の方が彫ってない場合は「俗名」は彫らず、「石良 太郎」とだけ彫ります。

また奥様が亡くなった場合は同じように、「石良 花子」となりますが、元々「石良家」の墓でもあり、毎回「石良」という苗字を彫る必要も無く、誰の奥様か続柄も意識して「太郎 妻 花子」というような彫刻をすることもあります。

お墓とは長く続くもので、亡くなる順番ももちろん決まっておらず、お孫さんより下の時代になると誰だか解らなくなってしまう場合も多いため続柄の彫刻をおすすめします。

 

 

彫刻にも順番がある?

 

多くの方が、亡くなった順番に彫刻をいたしますが、亡くなる順番は残念ながら年齢順ではなく、またお石塔の彫刻ですと右側面が終了後、左側面に彫るなど場所が必ず隣にならないことから、仲の良かったお爺ちゃんとお婆ちゃんが隣になるようになどの理由で1名分の場所を空けて彫る場合もあります

お母さんが先に亡くなった場合、お母さんの前を1人分空けておいてお父さんの場所をとっておくこともあります。

 

 

間違えたら直せない・・・彫る前に確認!!

 

お寺の住職から、お戒名をいただく際に故人のお名前や情報をお話していると思いますが、住職も戸籍通りのお名前で、彫刻をすることが多いため、ご家族も知らずに本来は旧字体の漢字をそのまま現在の漢字で位牌を作ってしまったり、お墓に刻んでしまうことがあります。私どもはいただいたお名前で彫刻をしますので、改めて良く御確認いただき、「点」や「ハネ」などもお間違えの無いようお気をつけ下さい。

 

【間違えやすい旧漢字】

 

○富→冨(点がありません) 

○恵→惠(ムがつきます)

○徳→德(一本線が入ります)

○え→ゑ

※一部です、他にもありますのでご注意下さい

 

 

彫刻金額が高くてビックリ!!

 

弊社にご相談に来る方で、他の石材店にお願いをしたらびっくりするお値段を言われたと助けを求めてくる方がいらっしゃいます。

確かに石材店によってばらつきがあり、彫刻だけで30,000円~80,000円ほどがよく聞く価格だと思います。

私が前に一度ご相談をされた方で、1名の通常のお戒名彫刻で150,000円の請求をされたと怒って相談しにこられた方がいました。

その方は納骨の費用も別で150,000円と言われたそうです・・・合計300,000円・・・

(名前は言えませんが老舗の名の通った石材店で、その後閉店されました)

他社のことなので価格はなんともいえませんが、、、

 

ここからはコマーシャルになりますが、ちなみに弊社、石良では近所の公営霊園「都立八柱霊園」では、東門の出口に大きな看板を設置しており追加戒名彫刻を30,000円、納骨費用で20,000円で都合50,000円で行っています。(消費税込!)

おそらく地域でも最安値と自負しておりますので気軽に声をおかけ下さいね。

近隣の墓地なら金額は同じくらいでできると思います。

 

※もちろん他の墓所でも納骨、彫刻はできますが、場所、寺院、霊園によって金額や指定石材店などが決まっている場合もありますのでご相談下さい。

 

「都立八柱霊園 東門前の看板です」

 

 

最後に

 

いかがでしたでしょうか、彫刻についてご説明をさせていただきました。

そもそもお墓にお名前を彫って残しておく必要があるのか?という方もおります。

今まで彫刻をしていないなら、しなくてもいいと思います(あくまでも個人的な意見です)

しかし今まで彫刻をしてきたのであれば、子供は「なんでお父さんの名前だけ無いんだろう?」とか

「ここにお骨は入ってないんじゃないか?」などと考えてしまうもので、そうならない様に、前にならって名前を残したほうが絶対いいと思います。

 

昨今では仏壇も無く、位牌もつくらないという家庭も増えており、どこかに先祖の証拠とでも言いましょうか、お父さんの命日はいつ!という証明を残すべきだと思います。

 

デジタル化されていく現代社会の中で、1,000年はもつと言われる石に名前を刻むという

「アナログの原点」であり、改めて見直される日がくるような気がします。

 

ご不明な点や気になる点があればなんでも石良までご相談下さいね。

お盆も近くなり忙しくなってきたので、少し落ち着いたら「お役立ちコラム」更新します。

ではまた。

 

 

 

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